【re:Invent2024】アーキテクチャに関するChalk Talkに参加してきました!

はじめに

こんにちは!スカイアーチのharashimaです!この度、re:Invent2024にてChalk Talkと呼ばれるセッションに参加いたしました。内容については、自分の業務と関わりの深いアーキテクチャに関するものをチョイスしました。セッションの概要および、Chalk Talkを受講してみた所感をこちらのブログで共有させていただきます。

チョークトークの概要

Chalk Talkとは

「Chalk Talk」をシンプルに和訳すると「黒板とチョークを使う講演」や「くだけた雰囲気で行う講義」という意味になります。スピーカーが主となってセッションを進めていく点では、Breakout SessionやLightning Talkとあまり変わりません。他のセッションとの大きな違いはスピーカーが受講者に対して質問を投げかけるという点です。問いに対して受講者達は、手を挙げてフランクに自分の意見を発表します。受講者に疑問を投げかけてスピーカーとともにセッションを作っていくという点では、大学の講義形式に近いと感じました。様々な方の意見が飛び交うため、とにかく会場は活気に溢れていました...!以下、最前列からの写真です!

今回のChalk Talkについて

Frugal Architectに基づき、ビジネス価値を最大限発揮させられるアーキテクチャについて考察するセッションでした。具体的には、アーキテクチャが弾力性と高いパフォーマンスを維持しつつも、コスト効率良くシステムを構築/運用し続けていくには何をすべきかについて会場の皆で考えました。お客様のインフラ構築/提供する業務に携わっている私にとって、今回のセッションは得るものが非常に多かったです。

講義内容

前提

スピーカの二人は、GameDayの設定でおなじみ「ユニコーン・レンタル・デリバリー」という架空会社の従業員という設定です。現在、Frugalなアーキテクチャを導入することを会社から求められているそうです。一方、セッションの受講者60名は、アーキテクチャのエキスパートという設定です。アーキテクチャのコスト最適化を念頭に置いたFrugalなアーキテクチャの構築のために、スピーカー2人からの質問にエキスパートとして回答していくというシチュエーションでセッションが進んでいきました。

前半

ユニコーン・デリバリー・サービス社のシステムの非機能要件として重視されているのは「コスト効率」です。費用対効果の高いインフラを構築するための戦略について、エキスパート60人に相談をしています。エキスパートである私たちは、サーバレス構成やSavings PlansやReserved Instancesの使用を推奨しました。また、過剰なスペックのリソースを排除する話になった際は、メトリクスを追跡することの重要性についても議論されました。追跡したメトリクスをダッシュボードで可視化することで、コストの現状をエンジニア部隊、ビジネスチーム、CEOなどへ共有が実現。それを活用することで、アーキテクチャがFrugalであるかどうかを継続してチェックできます。

コスト最適化を考える一方、システムにおける弾力性とパフォーマンスの最適化も議論しなければならないトピックの一つです。耐久性向上のためには、複数AZ/リージョンを活用した場合やActive/Active構成、Active/Passive構成など様々な選択肢があります。耐久性を高くすればするほど、費用がかかってしまうのが現状ですが、システムが停止してしまったのでは元も子もありません。コスト、システムの可用性/パフォーマンスのバランスを取るためにも、スピーカーは、ビジネス指標とコスト概念を掛け合わせたダッシュボードであるCloudIntelligenceDashiboardsをデプロイ/活用することを決めました。

後半

さらに、スピーカーは、コスト意識の高い文化を実現するための手段としてFinOpsという概念を紹介しました。FinOpsとは、自分で構築/運用しているシステムに対して、コスト最適化の責任を持つことです。CloudIntelligenceDashiboardsを用いることで、エンジニア部隊、ビジネスチーム、財務部門等、組織を横断してコストに対する意識を高めることができます。また、システムリリースのライフサイクルにFinopsレビューを統合することで、リソース導入前にコストと可用性/パフォーマンス効率のバランスを確認することができます。それを実現するためには、構築段階にてリソースに対するモニタリングを設定する必要があるとスピーカーは述べました。

ここで、スピーカーから「予期せぬコスト」の急上昇に対する対策についても相談を受けました。エキスパートからはAWS Budgetsアラートの設定やAWS Cost Anomaly Detectionを用いたリアクティブな対策、SCPやAWS Control Towerを用いたプロアクティブな対策を提案しました。また、未承認なリソースのデプロイを防ぐことも大事です。全てのリソースのコストに対してモニタリングすることで、コストが想定しない動きをした場合でも、早急に対策することができます。エキスパートからは、インスタンス利用を自動化するAWS Instance Schedulerの使用も提案されました。

最後に、スピーカーは「プロアクティブなガードレールの設定や事前FinOpsレビューを行っておくことで、コストの異変に気付くことができ、最適化された状態が継続する」と述べ、FinOpsレビューの重要性が再度確認しました。

所感

会場の熱気に良い影響を受け、自分自身もエキスパートになりきって参加することができました。コスト周りのリソースは、一見地味な印象を受けるかもしれませんが、最適なアーキテクチャを持続させるためには必要不可欠です。業務やハッカソンで設計を考える際は、FinOpsを意識した提案ができるように心がけたいと思います。

セッションの最後にアンケートと共にCloudIntelligenceDashiboardのWorkShopを紹介いただきました。年末に読みたい技術本の大量購入を検討していた私ですが、コスト効率よく学習するために衝動買いは避け、ひとまずWorkShopでハンズオンすることにします。

投稿者プロフィール

harashima
ハンズオン大好き若手文系エンジニア
2024 Japan AWS All Certifications Engineers