はじめに
AWS-SKILLS-GUILD Advent Calendar 2024の10日目の記事です。
こんにちは!スカイアーチのharashimaです!2024年11月22日に、SES Mail Manager が Amazon Q Business アプリケーションへのメールの配信を追加できるというアップデートがあり、re:Invent2024では、それに関するWorkShopが開催されておりました。本記事ではWorkShopの内容及び、私なりの所感を記載させていただこうと思います。
WorkShopの概要
WorkShopとは
WorkShopとは、AWSリソースに対する実践的な学びを提供してくれる教材です。ドキュメントに記載されている手順通りに構築作業を進めていくと、架空のシチュエーションやビジネス課題を解決するソリューションを作成することができます。実際に手を動かすため、公式ドキュメントを読み込む机上の勉強よりも実践的な学びを得ることができます。AWSの公式ページにもWorkShopに関する記載や実際の課題が掲載されておりましたので、お時間のある方は興味のあるリソースのWorkShopに取り組んでみてください!
今回のWorkShopでやること
今回参加したWorkShopの目的としては、以下の通りです。
- SES Mail Manager の新機能「Delivery to Q Business」のルールアクションでAmazon Q Businessへメールを振り分ける
- Amazon Q Businessにて、振り分けられたメールからどのような情報を得ることができるのか確認する
以下にて、WorkShopの作業解説をさせていただきます!
構築したメールシステム
基本的な振り分け環境構築
まずは、SES Mail Managerにて基本的なメール振り分けフィルターを作成します。
- イングレスエンドポイントを作成し、それに紐づくトラフィックポリシー及びルールセットを作成します。イングレスエンドポイントについてはこちら、トラフィックポリシー/ルールセットの説明についてはこちらのAWS公式ページにて詳しい記載がございます。
- 下記の図を基に振り分け条件やアクションを作成します。
- ルール①「TrendMicro-AV-scan」
- 受信メールのウイルススキャンを行います。ウイルススキャン通過後は次のルールに進み、通過しない場合はメールを破棄し、それ以上のアクションは行われません。
- ルール②「archive_all」
- ウイルススキャンを通過した全てのメールを「workshop_archive」というMail Managerアーカイブに送信します。
- ルール③「Send-to-WorkMail」
- ウイルススキャンを通過かつ、ユーザー「user01」宛の全てのメールを「user01」のWorkMailの受信箱に送信します。
カスタム振り分け環境構築
次に、新たなイングレスエンドポイント、トラフィックポリシー、ルールセットを作成して、件名等の細かい条件を付けてメールを振り分けます。
- 新規のイングレスエンドポイント、トラフィックポリシー、ルールセットをそれぞれ作成します。
- 下記の図を基に振り分け条件やアクションを作成します。
- ルール①「TrendMicro-AV-scan」
- 受信メールのウイルススキャンを行います。ウイルススキャン通過後は次のルールに進み、通過しない場合はメールを破棄し、それ以上のアクションは行われません。
- ルール②「Send-to-archive」
- ウイルススキャンを通過した全てのメールを「MMArchive-random_string」というMail Managerアーカイブに送信します。
- ルール③「Send-to-S3」
- ウイルススキャンを通過した全てのメールをS3バケット「ses-mail-manager-to-s3-mms3bucket-random_string」に書き込みます。
- ルール④「DeliverToWorkMail」
- ウイルススキャンを通過かつ、ユーザー「user01」宛のメールの中で、件名に "Important "または "Urgent "というキーワードを含むメールのみをuser01のWorkMail受信トレイに送信します。
- ルール⑤「Send-to-Q」
- SES Mail Manager の新機能「Delivery to Q Business」を用いて、ウイルススキャンを通過した全てのメールを事前に作成したAmazon Q Businessアプリケーションに送信します。
Amazon Q businessへの振り分け
最後に、ルール⑤「Send-to-Q」でメールが配信されたAmazon Q Businessアプリケーションにて、送信されたメールを分析します。今回のWorkShopでは、事前に取り込まれている約60万通の電子メールのデータをもとに分析体験をいたしました。
本アップデートに対する所感
Amazon SESについては、今までメールを送信機能のみを学習/ハンズオン1しておりました。そのため、今回のWorkShopはメール受信機能の有用性を知る良い機会となりました。今回のメインテーマではないですが、ルールセット(TrendMicroの機能)を用いたウイルススキャンを簡単に追加することで、企業のアドレスを管理する情報システム部門の設定/運用工数を大幅に減らせるはずです。さらに、今回のアップデートでデータ(メール)を簡単に分析できるようになったため、活用方法によっては2運用改善に必要な工数も削減することができます。現代社会では、メールとビジネスは切っても切り離せない存在です。だからこそ、Amazon SES × Amazon Q をうまく活用できれば、今までにないビジネス改善ができるようになると感じました。
- NW-JAWSのイベントNW-JAWS #13 ~re:Inventに行く前に振り返り~にて、Amazon SESに関するLTを発表させていただきました!こちらもあわせてご確認いただけますと幸いです。 ↩︎
- 例えば、企業への問い合わせをメールで行っている場合があげられます。従来、全体的な問い合わせ分析を行う場合は、手動もしくは別ツールを導入して傾向を分析する必要がありました。一方、今回のアップデートでは、お客様のご要望等をAmazon Qにて簡単に分析することができます。 ↩︎
最後に
今回記載したWorkShopの内容について、ビジネスにどのように生かせるのかということをNW-JAWSのre:CapイベントにてLTさせていただけることとなりました。詳細情報を下記に記載いたしましたので、是非ご確認いただけますと幸いです。
- イベント名
- NW-JAWS #14 ~re:Invent 2024 re:Cap ネットワークについて語ろう~
- クリックいただくことでconnpassのイベント申し込みページに遷移いたします。
- NW-JAWS #14 ~re:Invent 2024 re:Cap ネットワークについて語ろう~
- 開催日時
- 12月16日(月)12:00~13:00
投稿者プロフィール
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ハンズオン大好き若手文系エンジニア
2024 Japan AWS All Certifications Engineers