はじめに
AWS上のコスト削減にあたってよくリザーブドインスタンス(RI)と比較対象に挙がるSavings Plans(SP)ですが、「じゃあ結局なにが違ってどう試算すれば良いの?」と疑問に感じてる人が多いイメージがあったので簡単にまとめてみようと思います。
考え方の違い
細かい仕様の違いは色々あるんですが、大きく購入単位が違いがあり、
RIは「割引を受けたいインスタンスを指定」して購入するのに対し、
SPは「1時間あたりの利用料を指定」して購入します。
例えば、東京リージョンかつ、1年前払いという条件で、「m6i.xlarge」のRHELインスタンスの割引を受けたい場合、
RIは「各条件を指定して出てきたもの」を購入するのに対し、
SPは「割引適用後の1時間あたりの料金」が購入指定額となります。
※1年前払いの場合、指定金額×24h×365日 分が実際の支払金額になります。
※EC2 Instance SPの場合は、追加でリージョンとインスタンスクラスの指定が必要
代わりにより高い割引を受けることが可能(スタンダードRIと同程度の割引率になる)
Savings Plansの優位性
「1時間あたりの料金コミット」という買い方の特性上、割引に柔軟性があるというのがSPの利点です。
極端な例ですが、例えば上記で指定した「m6i.xlarge」のインスタンスを終了させた場合においても、Compute SPかつ期間内であれば他のEC2インスタンス/Fargate/Lambda に割引が適用されます。
また、リージョンの縛りもありません。
EC2Instance SPの場合でも、同リージョンの「m6i」インスタンスであれば割引の対象になります。(m6i.2xlargeへのスペックアップ等をした場合も同じで、コミット額の範囲内の割引は受けることができ、不足分のみオンデマンド料金が請求される形となります)
各SPプラン毎の割引率と対象は以下の表の通りとなります。
プラン | compute SP | EC2Instance SP |
---|---|---|
割引率 | 最大66% | 最大72% |
割引対象 | EC2, Fargate, Lambda | 同一インスタンスファミリーのEC2 |
リージョン | 全リージョン | 指定したリージョンのみ |
1時間あたりのコミット額の算出
AWS公式の以下の料金表を参考に、1時間あたりの料金算出が可能です。
https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/compute-pricing/
※リージョンおよび利用OSで1時間あたりの料金が変わってくるため、指定ミス/漏れがないよう注意してください。
終わりに
今回はあえて細かい仕様は省いて概要レベルでRIとの違いをまとめてみました。
「Savings Plansってなんか良いらしいけどどう見積ればいいか分からない」といった方の一助となれば幸いです。
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