中国のパブリッククラウドサービス紹介

この記事は公開されてから半年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

今回から数回回に分けて、中国のパブリッククラウドサービスを紹介します。

中国パブリッククラウド市場

  • 中国:阿里雲、百度雲、藤訊雲、盛大雲、華為雲など
  • 日系:ホンツーユン、IIJ GIO CHINAなど
  • アメリカ:Amazon AWS、Microsoft Azure

今回は、上記の中から今急成長中の阿里雲について紹介します。
阿里雲は、中国最大大手のEC事業者であるアリババグループ傘下のパブリッククラウドサービスです。

アリババグループとは

アリババグループは、淘宝(タオボオ)、天猫(テンモォ)といったB2B、B2CのECサービスだけではなく、
支付宝(Alipay)といった第3者決済サービスも展開しています。

阿里雲のクラウドサービスは、今は、中国国内に留まらず、香港、シンガーポール、シリコンバレーにリージョンを設立してます。
グローバル化の次の一歩として、日本、ヨーロッパなどにリージョンを設立する予定であることを明らかにしてます。

図1

阿里雲のクラウドサービスのリージョン図

料金体系

阿里雲は、「定額制」と「従量課金」の2つの料金体系を提供しています。

中国国内のユーザの消費習慣を意識したのが定額制で、グローバル向けが従量課金だと考えられます。
また、中国国内特有の事情でサーバーの料金には、NW帯域幅の費用が加算されます。

例えば、ECS(ElasticComputeService)を購入する場合、CPU、メモリ、ストレージ以外にNW帯域幅を選ぶ必要があります。
NW帯域幅は、ECS、SLBなどに結び付けられるが、1Mbps~200Mbpsを選ぶことができます。
費用もサーバースペックというより、NW帯域幅の費用が割高となります。

サービスの充実化

阿里雲のサービスですが、今は、エラスティックコンピューターから、データーベース、CDN、ビッグデータ、アプリケーションサービスなどを提供しています。

図2

阿里雲のサービス一覧

最も良く使われるサービスを以下に説明いたします。

  • SLB(Server Load Balancer)
    負荷分散装置、現状「ラウンドロビン方式」と「パーシステンス方式」がサポートされてます。
  • ECS(Elastic Compute Service)
    クラウドコンピュートサービスで現状1コア512MB ~ 16コア 64GBを提供してます。
  • RDS(Relational Database Service)
    現状、SQLServer、MySQLとPostgreSQLを提供しています。
    また、マネージドサービスとして、レプリケーションサービスを提供しています。

最高スペックは、メモリ225GB、IOPS 20,000、最大コネクション数10,000という制限はありますが、一般的なシステムの要件は満たせます。
※RDSの最大コネクション数は、少し前までは2,000しかなかったのに、本日確認したところ、10,000まで拡張されてました。

  • OSS(Object Storage Service)
    阿里雲のストレージサービスです、サーバからはAPI経由でアクセスできますが、NFSのようにサーバにマウントする事はできません。

  • OCS(Open Cache Service)
    阿里雲が提供してるMemcachedサービスです。

  • VPC(Virtual Private Cloud)
    比較的に最近リリースされた機能であり、現状は、オンプレ環境とクラウド環境のVPN接続をメインにしております。
    また、阿里雲ではDDos攻撃の防御サービスとして、「高防IPサービス」を提供しております。
    「高防IPサービス」の利用料金は、18,800/月(20G)で、ユーザ様がサイトにアクセスする際、「高防IPサービス」経由してからバックエンド(SLB or ECS)にアクセスする仕組みです。

セキュリティ

セキュリティ面ではまだ、多少不安が残ってるのが現状であります。
例えば、Linux、Windowsサーバーともに、「雲盾(Yundun)」というサービスがデフォルトで稼働しております。

このサービスは、特定のIPからの一定以上のアクセスがあった場合、該当IPからのアクセスをブロックする機能などが備わってます。
要するに該当IPがブラックリストに追加されて手動で解除しない限り、アクセス禁止となります。

サイトへの攻撃を防ぐという意味では非常に優れた機能ですが、サーバー上に保存した情報の機密性を守るという意味では「雲盾(Yundun)」サービスはオプションサービスとして選択できるようにして欲しいな!と思います。

阿里雲のコンパネ

日々更新されてるコンパネですが、レスポンスがともかくはやいです。
例えば、シリコンバレーリージョンにあるECSをコンパネで操作した時、そのレスポンスは異常といえるほど早かったです。

次回は阿里雲のイメージサービスとバックアップについて!

投稿者プロフィール

Skyarch Cloud Dalian
中国の大連から高品質で低価格のITマネージドサービスを提供しております。
中国国内のクラウドを利用したシステム構築、運用のみならず、導入前のご相談も可能です。

クラウド選定、ICPライセンス取得等など、なんなりとご相談ください。
日本語、中国での対応も可能です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.

ABOUTこの記事をかいた人

中国の大連から高品質で低価格のITマネージドサービスを提供しております。 中国国内のクラウドを利用したシステム構築、運用のみならず、導入前のご相談も可能です。 クラウド選定、ICPライセンス取得等など、なんなりとご相談ください。 日本語、中国での対応も可能です。