こんにちは!
皆さんは、AWSの構成図をどのように作成していますか?
基本的には、AWSが提供しているAWS シンプルアイコン(AWS Simple Icons for Architecture Diagrams)を使用していると思います。このAWS シンプルアイコンの形式としては、以下の4種類があります。
1.Microsoft PowerPoint 形式
PowerPoint 用 AWS シンプルアイコン(pptx)
2.Microsoft Visio ステンシル
Microsoft Visio 2010 用 AWS シンプルアイコン(vss)
3.SVG 形式および EPS 形式
SVG 形式および EPS 形式の AWS シンプルアイコン(zip)
4.オンライン作図ツール
Cacoo(https://cacoo.com/)
Creatly(http://creately.com/)
LucidChart(https://www.lucidchart.com/)
※2019/3/18追記:LucidChartの日本語版サイトができているとの連絡を頂きました。(https://www.lucidchart.com/pages/ja/flowchart-maker)
各種CDP用のテンプレートも用意されている。
今回は、項目4で紹介したオンライン作図ツール3種の使用感・料金の比較を書いていきたいと思います。
【オンライン作図ツール】
まず3つのツールの共通点として、
・作成した構成図を無料でイメージファイルとして出力可能
・作成した構成図を手軽にWeb上に公開できる(URL・Twitter・Facebookなど)
・構成図を複数人でリアルタイム編集することが可能 チャットもできる
・APIが用意されており、外部からも利用できる
などが挙げられます。
どのツールもUIは非常に使いやすいものとなっていいるので、機能の多さや価格面での比較を主にしていきます。
■Cacoo
「Backlog」などのアプリケーションを公開している株式会社ヌーラボの、構成図作成ツールです。
紹介する3つのツールの中では、国内で最も知名度が高いと思われます。日本語で安心して使えることもポイントが高いでしょう。
個人的には、インストールすることで様々な機能を追加する「cacoo忍者」というツールがとても便利に感じました。
・cacoo以外のアプリケーションの画面をキャプチャして、構成図に素早く挿入
・クリップボードにコピーされている画像を、図に張り付ける
・作成したシステム構成図をクリップボードにコピーする
以上のようなことが、cacoo忍者を使用すると簡単かつ無料でできるようになります。
また、学生と教職員であれば、申請することで有料サービスを無料で利用可能です。
▼cacoo 作業画面の例
■Creately
3つのツールの中では唯一、無料枠で作成した図をPDFでエクスポート可能です(cacooはPNGのみ、LucidChartは14日間のみ)。
また、公式サイトやブログ、ドキュメントは英語ですが、ツール自体は日本語に対応しています。
Amazon.comやIBM、Adobeなども使用しているあたり、海外でのシェアはかなり広そうですね。
▼Creately 作業画面の例
■LucidChart
「Lucid」には、わかりやすいとか、頭脳明晰なという意味があります。個人的にルシッドチャートという響きが好きです。(笑)
2014/10/09日現在、日本語には対応していないようですね。2019/3/18日本語サイトができているとの連絡を頂きました。
また、永久無料プランは用意されておらず、無料期間は14日間です。しかし14日間であれば、有料プランと同等の機能が使用できるため、短期間だけ使いたいという場合の選択肢としては有力かと思われます。
▼Lucid Chart 作業画面の例
【料金の比較】
今回は無料・有料個人・有料チームの3つの形態に分けて利用料金と機能の比較をしてみました。
3つのツールのうち最も優れていると判断した項目については赤文字にしてあります。
ここでいう共有フォルダとは、設定したユーザー間で図の共有が出来るフォルダです。図の共有をする場合、図の一枚一枚に共有したいユーザーを招待する必要がありますが、共有フォルダがあれば一度の招待で複数の図を共有できます。
※createlyとLucidChartの有料プランに関しては、レートによって多少料金が前後します。
■無料プラン
無料プランでは、やはり機能的にLucidChartが頭一つ抜けています(14日間限定ですが...)。しかし無料で長く使い続けたいユーザーは、cacooかcreatelyのどちらかを選択することになるでしょう。
エクスポート形式に焦点をあてるならば、PDFでも出力できるcreatelyに分があります。一方cacooは、作成可能なシート数、共有フォルダ数、図の共同編集者数が勝っています。
基本的にはcacooを使用して、PDF形式の図が必要になった場合は変換フリーソフトで変換する...という方法が個人的にはお勧めです。
■有料プラン(個人枠)
有料プランでは大幅に機能が向上します。
全体的に見てcacooが優れていますね。createlyは値段はほぼ変わりませんが、図の共同編集者数が5人までと少ないです。
LucidChartは値段の割に機能が物足りないように感じます。
■有料プラン(チーム枠)
5人以上のユーザーで使用する場合、有料プランのチーム枠で申し込んだほうがお得です。さらにユーザーの権限なども管理できて、個人枠で使用する以上のパフォーマンスが期待できるでしょう。
今回は100人までの登録可能なプランでの比較をしてみました。見てわかるとおり、cacooが圧倒的に安いです!しかも安いからといって機能が劣っているわけでもありません。表に示した機能を見る限り、むしろ優れていますね。
【まとめ】
cacooをオススメするユーザー
・利用料金の安さを重視する方
・エクスポート形式はPNGのみでも構わないので、無料で使い続けたい方
・日本語でツールを使用したい方、国内企業のツールを使用したい方
createlyをオススメするユーザー
・無料プランで、PDF形式でエクスポートしたい方
LucidChartをオススメするユーザー
・短期間でもいいので多彩な機能を使用したい方
・有料プランを体験してみたい方
...はい。よほど強いこだわりがない限り、cacooを選択するのがよいと考えられます(笑)
なんといっても、利用料金の安さが目立ちますね。他の2つのツールに、利用料金の差が納得できるような機能・サービスがあるなら別ですが、特にそのような点はないように感じます。
サポートに関しても、国内企業のほうが何かと安心でしょう。
【おまけ】
VisualOpso(http://www.visualps.io/)
ツールで構成図を作成すると、その環境をAWS上にローンチしてくれるという夢のようなツール。こんなものがあったのか...
おそらく構成図の環境をcloudformationファイルとしてエクスポートし、それをAWSに流し込んでローンチしている...?
後日検証して記事にまとめてみたいと思います!
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