IT資格とは?エンジニアで必要な資格4選

エンジニアになるためには、必ず必要な資格があるわけではありません。実際にエンジニアとして活躍をしている人の中でも、資格を持っていないエンジニアは大勢います。実際にエンジニアとして就職するときは、実績がまず判断材料となります。

そうはいっても資格が持っていることでマイナスに評価されることはまずなく、資格を評価してくれる企業も多く存在します。

そこでこの記事ではエンジニアとしてこれから活躍を目指す人たちにとって、おすすめのIT資格を詳しく紹介していきます。

初心者向け

まだITでの業務経験のない方におすすめしたいのが、以下の二つの資格です。どのような業務につくにしても活かせる資格であり、勉強して損をすることはまずありません。

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者

ITパスポート

エンジニアを目指すにあたり、まず初心者の方におすすめしたいのはITパスポートです。

ITパスポートは経済産業省が認定している国家試験です。初級システムアドミニストレーターの後継試験といえばわかる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ITパスポートはIT業界に限らずビジネスにおいての基本となる内容が多いので、ぜひ受験していただきたい資格です。またほかの資格と違いいつでも受けられる資格なので、予定を合わせる必要もありません。

またITパスポートと基本情報技術者など他のIT関連の資格を比較しても難易度はかなり違うため、エンジニアを目指すのであればまずITパスポートを受験するとよいでしょう。

基本情報

資格種類国家試験
認定団体経済産業省
合格率50%前後
実施単体情報処理推進機構(IPA)
料金5,700円(税込)

試験の目的

近年社会人にとって必要であるAIやIoTなど、ITリテラシーに関する知識を身に着けるためにできた試験です。IT関連の企業でなくても、顧客管理や製品管理などさまざまな分野がIT化されていることから、ITの知識が必須となっているのです。

他にも経営戦略や会計、法務にいたってもITを活用するケースがあることから幅広く知識をつけるためにもできた試験です。

試験内容

試験内容はテクノロジ系(IT技術)、ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)から合計で100問出題されます。総合評価点は600点で合格なのですが、それぞれの分野において300点以上取得している必要があります。

テストはCBT方式とよばれるコンピューターを使った試験で、マウスとキーボードのみを使います。しかし体の不自由などによりCBT方式の試験を受けられない場合は4月と10月に筆記による試験を開催しています。

試験時間2時間
問題数100問
出題分野ストラテジ系(経営全般):35問程度マネジメント系(IT管理):20問程度テクノロジ系(IT技術):45問程度
試験方法CBT(Computer Based Testing)方式
合格基準600点以上/1,000点

試験範囲

試験内容はテクノロジ系(IT技術)が45問で最も多いのですが、ストラテジ系(経営全般)が35問、マネジメント系(IT管理)が20問と幅広い分野から試験は出されます。このためIT関連の技術だけでなく、知っておくべき内容が含まれています。

ストラテジ系

企業と法務企業活動
法務
経営戦略経営戦略マネジメント
技術戦略マネジメント
ビジネスインダストリ
システム戦略システム戦略
システム企画

マネジメント系

開発技術システム開発技術
ソフトウェア開発管理技術
プロジェクトマネジメントプロジェクトマネジメント
サービスマネジメントサービスマネジメント
システム監査

テクノロジ系

基礎理論基礎理論
アルゴリズムとプログラミング
コンピュータシステムコンピュータ構成要素
システム構成要素
ソフトウェア
ハードウェア
技術要素ヒューマンインタフェース
マルチメディア
データベース
ネットワーク
セキュリティ

初級システムアドミニストレーターのとの違い

初級システムアドミニストレーターは、ITパスポートの前にあった資格だったのですが、ITパスポートよりも数段難しい資格でした。初級システムアドミニストレーターはIT業界の実務内容が必要になるのですが、ITパスポートはITに関する基礎知識がメインです。

MOSとの違い

ITの初心者が受ける資格の一つにMOSがあるのですが、MOSはワード、エクセル、パワーポイントといったofficeを使いこなせるかどうかの資格であり、マイクロソフト社が運営しています。

基本情報技術者

基本情報技術者はITソリューションやサービスなどにかかわる仕事に携わっており、システムの設計や開発をする場合、また需要者の課題を解決するために情報技術を使って解決していく業務に携わる人達に必要な内容となっています。

ITパスポートがIT企業にも関連のある内容となっているのに比べて、基本情報技術者はIT関連に従事している人たちにとって特化している試験となります。

IT業界にかかわるのであれば必須といわれる資格であり、エンジニアにとってもぜひとっておきたい資格となります。

基本情報

試験は1年に4月と10月の2回実施されます。

資格種類国家試験
認定団体経済産業省
合格率30%前後
実施単体情報処理推進機構(IPA)
料金5,700円(税込)

試験内容

試験は午前と午後に分かれており、合計で300分の長い試験となります。合計で91問の出題となります。

IPAに認定された講座を受講して修了している場合は、午後の試験をスキップすることができます。

午前午後
試験時間150分150分
出題形式四肢択一多肢選択式
出題数80問11問
回答数80問5問(選択)

試験範囲

大きくわけて情報技術を活用した戦略立案を立てる立場の人と、システムの設計・開発などを行う人が必要な知能や技能が求められます。

例えば戦略立案を立てる人の内容は以下のようになっています。

 ①対象とする業種・業務に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。

 ②上位者の指導の下に、情報戦略に関する予測・分析・評価ができる。

 ③上位者の指導の下に、提案活動に参加できる。

引用 情報処理推進機構

またシステムの開発や設定をする人の内容は以下のようになっています。

 ①情報技術全般に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる。

 ②上位者の指導の下に、システムの設計・開発・運用ができる。

 ③上位者の指導の下に、ソフトウェアを設計できる。

 ④上位者の方針を理解し、自らソフトウェアを開発できる。

引用 情報処理推進機構

中級者向け

それではエンジニアに必要な資格で中級者向けをご紹介していきます。

応用情報技術者

まずご紹介したいのが、応用情報技術者です。ITエンジニアとして応用的な知識や技能を把握していることが証明できる資格です。システムの開発や設計をする開発者以外に、情報技術を使ったマネジメントまたは戦略を立案する場合でも必要になります。

2020年応募者数は99,224名に対して合格率は22.3%と決して簡単な資格ではありません。

しかしそれだけ就職をするときでもフリーランスとして独立する場合でも、アピールになるのでぜひ取得をしておきたいです。また資格としてだけではなく、今後必要になる知識や技術ばかりとなります。

基本情報

資格種類国家試験
認定団体経済産業省
合格率22.3%
実施単体情報処理推進機構(IPA)
料金5,700円(税込)

試験範囲

基本技術者と比べてもより高いレベルの内容が求められます。基本情報技術者が、指導の元であることに対して応用情報技術者は自分がメインで戦略立案、またシステム開発ができることが必要です。

戦略立案する立場

 ①経営戦略・情報戦略の策定に際して、経営者の方針を理解し、経営を取り巻く外部環境を正確に捉え、動向や事例を収集できる。

 ②経営戦略・情報戦略の評価に際して、定められたモニタリング指標に基づき、差異分析などを行える。

 ③提案活動に際して、提案討議に参加し、提案書の一部を作成できる。

システムの開発者

 ①アーキテクチャの設計において、システムに対する要求を整理し適用できる技術の調査が行える。

 ②運用管理チーム、オペレーションチーム、サービスデスクチームなどのメンバとして、担当分野におけるサービス提供と安定稼働の確保が行える。

 ③プロジェクトメンバとして、プロジェクトマネージャ(リーダ)の下でスコープ、予算、工程、品質などの管理ができる。

 ④情報システム、ネットワーク、データベース、組込みシステムなどの設計・開発・運用・保守において、上位者の方針を理解し、自ら技術的問題を解決できる。

引用 情報処理推進機構

試験内容

試験時間や問題数などは基本技術者と違いありません。300分の試験ですが、午前と午後にわかれており全部で85問解く必要があります。

午前午後
試験時間150分150分
出題形式四肢択一多肢選択式
出題数80問11問
回答数80問5問(選択)

上級者向け

最後に上級者向けのエンジニア資格をご紹介していきます。

情報セキュリティスペシャリスト

情報社会が進みセキュリティの重要度が上がっています。頻繁に情報漏洩などのニュースを見る今、エンジニアとしてやっていくには情報セキュリティのスペシャリストである必要性が高まっています。

このため今後さらに重要度が高まると予想されるのが情報セキュリティスペシャリストです。

基本情報

資格種類国家資格
認定団体経済産業省
合格率約15%
実施単体情報処理推進機構(IPA)
料金5,700円(税込)

試験範囲

試験の範囲は情報システムの企画、開発、運用、保守においてセキュリティ機能を構築しさらに情報システム基盤を整備することができる情報セキュリティ技術の専門家として必要な内容です。

具体的な内容は以下のように情報処理推進機構において定義されています。

(1)情報システムの脅威・脆弱性を分析、評価し、これらを適切に回避、防止するセキュリティ機能の企画・要件定義・開発を推進又は支援する。

(2)情報システム又はセキュリティ機能の開発プロジェクトにおいて、情報システムへの脅威を分析し、プロジェクト管理を適切に支援する。

(3)セキュリティ侵犯への対処やセキュリティパッチの適用作業など情報システム運用プロセスにおけるセキュリティ管理作業を技術的な側面から支援する。

(4)情報セキュリティポリシの作成、利用者教育などに関して、情報セキュリティ管理部門を支援する。

引用 情報処理推進機構

試験内容

試験は午前午後と2パートずつにわかれています。午後はいずれの記述式であり選択問題となっています。

午前前半午前後半午後前半午後後半
試験時間9:30~10:20(50分)10:50~11:30(40分)12:30~14:00(90分)14:30~16:30(120分)
出題形式4択問題4択問題記述式記述式
出題数30問25問3問2問
回答数30問25問2問1問

まとめ

いかがでしたでしょうか。エンジニアになるにあたりおすすめの資格をご紹介してきました。IT関連の資格は年々増えておりどの資格を受験していいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

まずは国家資格である情報処理推進機構が運営している以下の4つの資格を受験することをおすすめします。

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • 情報セキュリティスペシャリスト

上記の4つの資格を持っていると必要な知識を持っていることが証明され、就職するときも独立するときも活かすことができます。

上記の4つを取得したあと、それぞれ専門の資格を取得していってはいかがでしょうか。

エンジニアは資格がないと仕事ができないというわけではないですが、クライアントや就職時などにアピールになる他、必要な知識や技術を持っていることを再確認することもできます。

それぞれスクールに通うこと以外に、独学でも勉強をすることができます。過去問題集や学習サイト、アプリなど勉強方法はいろいろです。自分にあった勉強方法を見つけるようにしてください。

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