必見!Amazon Connectでできるカンタン在宅コンタクトセンター

コロナ禍で緊急事態宣言が長期化する中、政府は「出勤7割削減を目指す」と目標を掲げています。その一方でコンタクトセンター業務はシステムの制約などでリモートワークが進んでいないのが現状です。

そんな中、Amazon Connectがコンタクトセンター業務に必要な機能と短期間でシステムを立ち上げることができる点で注目を集めています。

この記事では在宅勤務に対応したコンタクトセンターシステム構築の課題とAmazon Connectによる在宅コンタクトセンターの構築方法を紹介します。

在宅勤務実現のためのシステム構築の課題

コンタクトセンター業務を在宅勤務で対応する場合、それに対応したシステムを構築する必要があります。例えば、問い合わせ窓口に着信した顧客からの電話をサポート担当者の自宅もしくは携帯電話で対応する仕組みなどです。

しかし、CTI(Computer Telephony Integration)やPBX(構内交換網)をオンプレミスで構築している場合、通常はオフィスでしか電話を取ることができません。また、オンプレミスのシステムの場合、VPN機器や専用電話機を在宅勤務に対応したセットアップを行った上で各担当者の自宅に送付し、設置することが必要です。

さらに、システムによってはライセンスを追加購入しなければなりません。このため、オンプレミスでコンタクトセンター業務を在宅勤務に対応するためにはコスト増となり、大きな負担が発生します。

ただしこれらの追加は一朝一夕ではできません。CTIやPBXの設定や開発、担当者への機器の設置までには数ヶ月かかるのが一般的です。このため、多くの業務がコロナ禍で在宅勤務が進む中、システム対応が妨げとなり、コンタクトセンター業務は在宅勤務が進んでいないのが現状です。

Amazon Connectとは?

Amazon Connectとはコンタクトセンター業務に必要なシステムを提供するクラウドサービスです。アマゾンウェブサービスジャパンが2017年にリリースしました。

元々はAmazon.comの大規模コンタクトセンター向けシステムとして開発され、その特徴は大きく3つあります。

コンタクトセンター業務に必要な機能の標準装備

Amazon Connectにはコンタクトセンター業務に必要な機能が標準装備されています。Amazon Connectの主な機能は以下の通りです。

  • PBX

構内電話網機能。Amazon ConnectではCCP(Contact Control Panel)を使用して電話の受発信を行います。Amazon ConnectではPBX機能が内蔵されているため、PBX機器を導入する必要がありません。

  • IVR

自動音声応答。着信後に流れる自動応答音声の設定ができます。Amazon Connectでは画面上でドラッグ&ドロップで対応フローの構築が可能です。

  • ACD

自動呼分配。着信した電話をオペレーターの空き状況や優先度に基づき自動的に振り分けます。Amazon Connectではキューイング先やルーティングプロファイルの設定ができます。

  • CTI

コンピューター電話統合。電話機、PBXなど電話機器とコンピューターを統合し、コンピューターに接続したヘッドセットで電話の受発信を行える機能です。Amazon Connectでは専用のソフトフォンが用意されています。

ほかにも音声録音機能やデータ分析機能などがあります。

インターネット経由でアクセスできる

Amazon Connectにはインターネット経由でログイン可能です。そして、Amazon Connectに接続できれば在宅勤務でコンタクトセンター業務を行うことができます。もちろん、Amazon Connectへの接続は暗号化されており、Amazon Connectも強固なセキュリティ機能が備わっているため、セキュリティ面でも安心です。

短期間でコンタクトセンターシステムを構築可能

Amazon Connectは感覚的でわかりやすいGUIが特徴です。また、操作も簡単で、わずか数クリックでコンタクトセンターのサービスを構築することができます。このため、要件確認からコンタクトセンターのサービス開始まで短期間で構築可能です。

Amazon Connectでのシステム構築の流れ

ここでは、Amazon Connectでのコンタクトセンターシステムの構築の流れを紹介します。

インスタンスの追加と各種登録

まずはインスタンスの追加を行います。AWSへグイン後、Amazon Connectで「インスタンスの追加」ボタンをクリックします。インスタンスの作成後、URLの設定や管理者の追加、受電用の電話番号を取得します。

STEP
1

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電話番号の取得

Amazon Connectの東京リージョンでは直通ダイヤル(DID)の電話番号を取得することができます。

  • 03(東京の市外局番)のプレフィックス番号

※03以外の市外局番は取得できません

  • 050プレフィックス番号
  • 0120プレフィックス番号
  • 0800プレフィックス番号

これらの電話番号はインスタンス作成後に管理者画面より取得可能です。なお、現在利用中の電話番号をAmazon Connectで使うことはできません。

STEP
2

フローの設定

次にメニューより「問い合わせフロー」を選択し、問い合わせフローを作成します。

問い合わせフローは画面上でアクションを定義した各ブロックを配置し、それぞれのブロックを矢印で接続します。キューの設定やユーザーの追加もこの中で行います。問い合わせフローの作成後、電話番号とフローの結び付けを行います。

一連の作業が終わったら「保存」ボタンをクリックしてフローを保存します。

STEP
3

受発信テスト

受発信テストを行い、作成した問い合わせフローが機能するかどうかをテストします。テストの結果、問題なければ完了です。

STEP
4

まとめ

この記事では在宅勤務に対応したコンタクトセンターシステム構築の課題とAmazon Connectによる在宅コンタクトセンターの構築方法を紹介しました。

Amazon Connectは電話番号取得やPBXなどを含め、コンタクトセンターシステムに必要な機能を標準装備しています。また、画面から数クリックで立ち上げ可能です。

このため、Amazon Connectを利用すれば、短期間で在宅勤務に対応したコンタクトセンターシステムを構築することができます。

もし在宅勤務に対応したコンタクトセンターの構築を進めるのであれば、是非、Amazon Connectの利用を検討してみてください。