AWS Savings Plans/RIの紹介

企業なら少しでもコスト削減をしたいと考えるはずです。AWSもAWS Saving Plansとよばれる節約プランがあります。契約を1年、もしくは3年する必要があるのですが長期的にAWSを利用する予定がある場合はおすすめのプランになります。

この記事では、AWS Saving Plansの概要やメリット、2種類のAWS Saving Plansなどを詳しく説明してきます。

要約

メリット①:最大で72%割引
メリット②:利用状況が表示
メリット③:アラート設定
メリット④:購入したRIは無駄にならない
メリット⑤:プランの変更は必要なし

AWS Saving Plansの概要

1年もしくは3年間契約をして一定のコンピューティング使用量をコミットすることにより、割引価格が適用となります。Amazon EC2を利用している場合は最大で72%、AWS Fargateを利用している場合は最大で52%割引になります。

Amazon EC2、AWS Fargate、AWS Lambdaの使用状況を変更した場合でも割引対象に自動的になります。ユーザーのニーズに合わせて、プランや期間、支払いオプションを選ぶことができます。

コンピューティングを使っている上で、最も簡単にコスト削減をする方法がAWS Saving Plansです。AWS Cost Explorerを使うことにより、簡単にAWS Saving Plansを申し込むことができます。

割引をされているかの確認と分析

さらにAWS Cost Explorerを使うことにより、規定の期間のAWSサービスの利用料や割引になった額などを確認できる他、将来の見込みも分析することができるので年間の予算を考える時でも便利です。

契約期間が1年もしくは3年にすることが必要なのですが、1年以上AWSを契約するのであれば、AWS Saving Plansはデメリットはないお得になるサービスです。しかしAWSサービスの中には、AWS Saving Plansが適応にならない場合があります。

Saving Plansでどれだけ安くなるか確認できる

すべてのコンピューティングを使用したとき料金がかかるのですが、料金はSaving Planとオンデマンド料金の2種類となります。契約期間、支払いオプション、リージョン、OSなどを選んでSaving Planの料金とオンデマンドと比較した費用を表示することができます。

いかにSaving Plansがお得か実感をするには、以下からご確認してみるのがおすすめです。

AWS Saving Plansの申し込み方法

AWSコストエクスプローラーからAWS Saving Plansを選び、契約期間、支払い方法、プランなどを選んでAWS Saving Plansを開始することができます。

支払いのオプション

支払いオプションは以下の3種類となります。

  • 前払いなし
  • 半分前払い
  • 全額前払い

前払いなしを選ぶと、コミットメントは毎月の支払いとなります。半分前払いを選ぶと割引率が高くなり、全額前払いをするとさらに割引率が高くなります。最大の割引額にするためには全額前払いをする必要がありますが、前払いなしを選んでもAWS Saving Plansを利用しない場合と比べて割引となります。

2種類のAWS Saving Plans

AWS Saving Plansには以下の2種類のプランがあります。この2つのプランの詳しい説明をしていきます。

  • コンピューティング貯蓄プラン(Compute Savings Plans)
  • EC2インスタンス節約プラン(EC2 Instance Savings Plans)

コンピューティング貯蓄プラン(Compute Savings Plans)

インスタンスファミリー、サイズ、AZ、リージョン、OS、テナンシーすべてに対応している柔軟なプランであり、EC2インスタンスを使った量に対して割引適応に自動的になります。またEC2インスタンスだけでなく、Fargateおよび AWS Lambdaにも適用されます。

割引適応になるのはさまざまなケースがあげられますが、インスタンスの変更、もしくはEC2からFargateの移行に関しても割引対象となります。

EC2インスタンス節約プラン(EC2 Instance Savings Plans)

リージョン内の条件を満たしているインスタンスファミリーに適用される割引プランです。最大で72%の割引となり、サイズ、AZ、OS、テナンシーには影響されません。アベイラビリティーゾーン、サイズ、OS、テナンシーなどに関係なく、選ばれたインスタンスファミリーの料金を自動的に削減することができるのです。

AWS Saving Plansの利点

  • 柔軟性
  • 複数のAWS Saving Plansを同時に利用可能

柔軟性

Amazon EC2、AWS Fargate、AWS Lambdaなど使用する量がかわると、自動的にコストパフォーマンスがいい方のAWS Saving Plansに変わるので、毎回プランを変更する必要はありません。また自動的に反映するだけでなく、プランや期間などを選ぶこともできます。このため手間をかけなくても、最大72%の節約をすることができます。

複数のAWS Saving Plansを同時に利用可能

AWS Saving Plansには2種類のプランがあるのですが、それぞれに特徴があります。そこで両方を同時に利用することができます。

AWS Saving Plansの割引状況を確認

AWS Saving Plansが対象になっている割引状況を確認するには、AWS Cost Explorerを使います。期間を設定して、月次レベルと日次レベルでデータを出すことができ、さらに将来の使用料の予測も可能です。

分析をすることにより、今後Saving Plansを使うかどうかの判断も可能です。

EC2RIとは

オンデマンドでの料金体系に比べて、最大で72%割引となります。この点はAWS Sving Plansと同じなのですが、EC2RIは時間単位での料金に対して割引となります。

EC2RIの概要

利用した時間単位に対しての料金に割引される仕組みとなっております。EC2インスタンスのキャパシティーを予約することができるので、無駄に費用が発生することはありません。キャパシティーの予約を飼料しないで、RIの購入も可能です。

EC2RIには以下の2種類のタイプがあります。

  • スタンダードRI→割引率が最大72%と高いのが特徴です。
  • 今バーティブルRI→割引率は最大54%で、RIの価格以上のリザーブドインスタンスが対象となります。

EC2RIの利点

  • コストの削減
  • キャパシティーの予約

EC2RIを使うことで、オンデマンドで利用している時と比べて大幅に割引をすることができます。またファミリー、OSタイプなどの変更も可能です。さらにキャパシティーを予約することができるので、必要以外のキャパシティーを作成することがなく、コスト削減につながります。

AWS Saving PlansとEC2RIの比較

いずれも割引プランであるAWS Saving PlansとEC2 Instance Savings Plansですが、どちらを使ったらいいのか迷っている方もいらっしゃるでしょう。

そこで両方のプランの割引率やコミット期間などの項目別に比較していきます。

割引率やFargateへの適用など一部内容が違うところがあるので、よく確認をするようにしてください。

AWS Saving PlansEC2 Instance Savings Plans
割引率Compute 66%
Standard 72%
Convertible 54%
Standard 72%
コミット期間の指定必要必要
Fargateへの適用computeのみ適用適用せず
支払うオプションの指定必要必要
Instance Type指定不要必要
OS(platform)指定不要必要

割引率

AWS Saving PlansとEC2 Instance Savings Plansともに、computeは最大66%、Standardは最大72%となります。

コミット期間

コミット期間の指定は、AWS Saving PlansとEC2 Instance Savings Plansともに必要です。

Fargateへの適用

Fargateに適応しているのは、Saving PlanのComputeに対してだけです。

Lambdaへの適用

Lambdaに適応しているのは、Saving PlanのComputeに対してだけです。

利用料のコミット

Saving Plansは1時間あたりの利用料をして、EC2 Reserved Instanceはリストから選びます。

Instance Type指定

Saving Plansは不要ですが、EC2 Reserved Instance指定する必要があります。

OS(platform)指定

Saving Plansは不要ですが、EC2 Reserved Instance指定する必要があります。

Saving Plansを使うメリット

Saving Plansを使うメリットをご紹介していきます。

メリット①:最大で72%割引

Compute Savings Plansを選ぶと最大で66%割引、EC2 Instance Savings Plans EC2を使うと最大で72%割引となります。

メリット②:利用状況が表示

AWS Cost Explorerを使うと過去7日分、30日分、60日分の利用状況が表示されるため、割引状況もわかります。

メリット③:アラート設定

Saving Plansは1,3年と契約期間が長いことからうっかり有効期限が切れていることがあります。しかし予約購入日の1日前、7日前、30日前にアラートを設定することができるので、うっかり有効期限切れになることを防ぐことができます。

メリット④:購入したRIは無駄にならない

すでにRIを購入している場合は、購入した分が先に適応になるので無駄になることはありません。

メリット⑤:プランの変更は必要なし

OSを変えてもリージョンを変えても、プランを変更することはありません。

Saving Plansを使うデメリット

メリットだけではなくデメリットまで把握のうえ、申し込みをするようにしてください。

契約期間が長い

Saving Plansが適応になるには、少なくても1年間契約をする必要があります。短期間での利用を考えている場合は適応になりません。

Saving Plasのメリットは色々と考えられるのですが、契約期間くらいしかデメリットは見当たりません。

まとめ

リザーブドインスタンスにはいくつか制約があるものの、利用料金を削減できるメリットがあり、大きなコストダウンを実現できます。

また、システム構成が変わる場合は、柔軟に対応できる、Savings Plansがおすすめです。AWSのコストを下げたいと考えている方は、ぜひご検討いただければ幸いです。また、AWSのご利用経験がない、AWSの使用方法などに不安がある場合、ぜひ弊社までお問い合わせください。

参考資料

AWS Saving Plans https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/

EC2RI https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/reserved-instances/