プログラマとは? エンジニアとは? 様々な種類のエンジニア総ざらい 前編

プログラマとは? エンジニアとは? 様々な種類のエンジニア総ざらい 前編

はじめに

この記事ではプログラマに興味を持たれた方やITエンジニアとして働いてみたいと思った方に、その仕事内容やどのようにして目指せばよいのかなど、ITエンジニアに関する様々な職種をご紹介していきたいと思います。

ITエンジニアとは?

そもそもITエンジニアとはなんでしょうか。ITエンジニアとはInformation Technology(情報技術)の技術者たちの総称を表す職業を指します。少し前まではシステムエンジニアと呼ばれていました。しかし現在ではITエンジニアの中にシステムエンジニアと呼ばれる職種が分類されるように変化してきています。

ITエンジニアにどうやったらなれるのかというと、明確な基準はありません。開発や運用など様々な状況に対応できる技術力や知識、経験などによってエンジニアとしてのスキルは判断されています。

もしかしたら理系出身の人が多く、大学で情報工学などを勉強していないとなれないと思われるかもしれませんが、決してそのようなことはなく、文系専攻など様々なバックグラウンドの方が活躍しています。今は学習本や実践に近いユースケースを資格試験の学習を通して学べるように設計されているITエンジニアの資格があったり、学習のためのサービスやツールはたくさん存在あります。これまで実際の開発、運用をしたことがない…という方でも諦めずに、これからご紹介する様々なITエンジニアについて知っていただき、自分がどのようなITエンジニアになりたいのか、考えてみるきっかけにしてみてください。

エンジニアとプログラマの違いについて

ITエンジニアの職種のご紹介で、まずはITエンジニアの登竜門ともいえるプログラマについてご紹介します。 プログラマとは、システムエンジニアが作った設計書をもとに実際にプログラムを組んでいくITエンジニアを指しています。これからIT業界を目指す読者の方は、実際にITエンジニアになったときに、まずはプログラマとして修業を積んでいくことが予想されます。

プログラマは扱えるコンピュータ言語が多いほど仕事の幅が広がります。ちなみに言語の種類はWikipediaに紹介されているだけでも300種類以上にものぼります。Java(ジャバ)、C(シー)、Python(パイソン)、Ruby(ルビー)、COBOL(コボル)など、もしかしたら聞いたことがある単語があるかもしれません。これらは数あるコンピュータ言語の一部ですが、プログラマになるには当然何らかのコンピュータ言語を学ぶ必要があります。どの言語を選べば良いかは、例えば求人要件でどのような言語がどのようなサービスに使われているのかを検索してみるとよいでしょう。

プログラマの平均年収については、経済産業省の調査結果では「システムエンジニア・プログラマ」というカテゴリーで約568万円~593万円と発表されています。

様々なITエンジニア総特集! 4つの分類でご紹介

ここからはプログラマ以外のITエンジニアについて、その役割ごとに4つに分けてご紹介していきます。
4つの分類は次の通りです。

  1. プロジェクトマネジメントに関するITエンジニア
  2. インフラエンジニア
  3. 開発エンジニア
  4. その他のITエンジニア
  5. プロジェクトマネジメントに関するITエンジニア

このパートではプロジェクトマネジメントに関連するITエンジニアを紹介していきます。

「プロジェクト」という言葉はIT業界以外でも日常的に使われていますが、それは事業を計画してそれを遂行させる一連の流れを指します。必ずしも何年もかかる大きな事業を示すとは限らず、半年以内に完了する小さな事業もプロジェクトと呼ばれています。そのプロジェクトを円滑に進めていくうえで重要な役割を担っているのが以下のITエンジニアです。

1.1 プロジェクトマネージャ
1.2 プロジェクトリーダー
1.3 セールスエンジニア
1.4 サポートエンジニア
1.5 フィールドエンジニア
1.6 ブリッジエンジニア(ブリッジSE)
1.1 プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャとは、プロジェクトの計画と遂行において最も権限を持つプロジェクトのトップに立つITエンジニアです。計画立案、予算だて、および顧客との折衝など、関わる業務はプロジェクト全体にわたります。

決められた予算内でプロジェクトを遂行するためにメンバーを集め、指揮し、時には意見を聞き、顧客からの要望をできるだけくみ取りながらも利益を上げるため、各プロジェクトメンバーに指示を出していきます。企業である以上究極的な目標は利益をあげることですから、プロジェクトを予算内に遂行させるよう陣頭指揮を執っていきます。

当然ながら色々なスキルが必要なポジションで、豊富な経験が必要となります。そのためプロジェクトマネージャになるには、まずは何らかのITエンジニアとして経験を積みながら半年程度の比較的小規模なプロジェクトを後ほどご紹介するプロジェクトリーダーとして経験していくことで、より大きなプロジェクトを任されてプロジェクトリーダーとして段階を踏んでいくことになります。

もし最短でプロジェクトマネージャに就きたいのなら、情報処理技術者試験の「プロジェクトマネージャ試験」の資格取得もかなりのアドバンテージとなるでしょう。ただし、試験は情報処理技術者試験の中でも最難関(スキルレベル4)のひとつで、公表されている合格率は15%未満となるため、まずはや基本情報技術者試験(スキルレベル2)、応用情報技術者試験(スキルレベル3)の取得と、段階を経てからのチャレンジが結果的に近道となるでしょう。

なお、このプロジェクトマネージャを直接支える立場に「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)」とよばれるポジションがあります。この役割は、プロジェクトマネージャをサポートするため、プロジェクトマネージャとプロジェクトの他のメンバーとの連携をサポートし、スケジュール管理をしてプロジェクトマネージャに報告するなどの業務があります。

プロジェクトマネージャの平均年収は、経済産業省の調査結果によると約890万円となっています。プロジェクトマネージャはITエンジニアの中で最高峰となり、年齢的にも40代50代の経験を積んだITエンジニアが多く、ITエンジニアになった後の将来の目標として、このポジションを目指してみるのもよいでしょう。

1.2 プロジェクトリーダー

プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャは、同じポジションを言い換えただけと思われる方もいるかもしれませんが、役割が分かれた別の職種といえます。

プロジェクトマネージャが、プロジェクト全体の推進を管理するのに対して、プロジェクトリーダーは組織のピラミッドに例えるならプロジェクトマネージャの下に位置づけられ、プロジェクト内のチームに割り当てられた業務のスケジュール管理や業務遂行状況を管理します。大きなプロジェクトであればプロジェクトマネージャの配下に何人ものプロジェクトリーダーが置かれ、その配下にチームメンバーとして各ITエンジニアが配置されます。

このプロジェクトリーダーになるのには、プロジェクトマネージャと同じくITエンジニアとして経験をつみながら、プロジェクトリーダーに抜擢され、ここで経験をつむことでプロジェクトマネージャに昇格していく流れになります。このプロジェクトリーダーの段階で、情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験を取得しておくと、実際にプロジェクトマネージャになったときの自信に繋がるでしょう。

1.3 セールスエンジニア

セールスエンジニアとは、その名のとおり営業(セールス)と技術者(エンジニア)の両方の役割を持つITエンジニアです。プロジェクトの受注前は、営業などと同行し顧客へ自社製品の売り込みを技術面から顧客に分かりやすく説明し、営業では説明できない部分を技術面でフォローします。また、プロジェクト遂行後に自社システムの不具合などにもプロジェクトマネージャに代わってサポートをする場合もあります。

このセールスエンジニアは必ずしもIT企業内だけではなく、例えば総合商社がIT企業から依頼を受け、そのIT企業の製品を海外などにセールスしていくような商社マンもセールスエンジニアといえるかもしれません。

このセールスエンジニアになるには、まずはITエンジニアとして経験を積み、技術的な話ができるバックグランドを持つとよいでしょう。そのようなバックグランドがあれば、例えば中小のIT企業では、セールスエンジニアというポジションがなくても、営業職としてセールスエンジニア的な仕事をしている人もいるようです。

1.4 サポートエンジニア

サポートエンジニアとは、自社のソフトウェアまたはハードウェア製品の操作のレクチャや故障時の技術的なサポートなど、主にプロジェクト遂行後の顧客からの問い合わせに対応するITエンジニアです。

顧客からの電話やメールの問い合わせに対応し、状況によっては直接顧客へ出向き対応する場合もあります。

このサポートエンジニアになるには、専属でのサポートエンジニアというポジションがなくても、プロジェクトの開発に加わっていたITエンジニアの何人かが、プロジェクト遂行後に顧客の職場に残り、サポートエンジニアとして顧客のシステムへの問い合わせに対応するなど、開発エンジニアが兼務する場合もありますので探してみてください

1.5 フィールドエンジニア

フィールドエンジニアとは、顧客の職場に直接出向き、ハードウェアの設置、保守、および修理などに対応する技術者です。「サービスエンジニア」または「カスタマーエンジニア」などと呼ばれる場合もあり、厳密にはITエンジニアとは言えないかもしれませんが、大型プロジェクトなどではソフトウェアだけではなくハードウェアもセットで顧客へ売り込むこともあり、プロジェクトメンバーの一員ともいえます。

フィールドエンジニアになるには、顧客へ単独で出向くため、一人で顧客への対応能力を身につけていなければなりません。そういう意味では営業職的な一面も必要といえます。例えば、サーバーや複合機などを扱うメーカーの系列会社や代理店などがフィールドエンジニア、サービスエンジニア、またはカスタマーエンジニアといった職種で応募している場合があります。

1.6 ブリッジエンジニア(ブリッジSE)

ブリッジエンジニア(ブリッジSE)とは、日本のIT現場と海外のITエンジニアの間に立って、割り当てられたプロジェクト業務を遂行するITエンジニアです。

2000年以降、日本国内のIT企業もコストダウンの目的もあり、インドを筆頭に海外のIT企業やITエンジニアを登用するようになりました。そのパイプ役や調整役として重宝されてきたのがブリッジエンジニアです。

このブリッジエンジニアの一番の難しさは海外のITエンジニアとのコミュニケーションであり、日本語ではなく英語、ときには中国語などを使ってコミュニケーションを取らなければならないことです。また、単なる通訳ではでは務まらず、そこにITエンジニアとしての力量も必要になります。日本側の求める技術水準と海外のITエンジニアのスキルレベルを把握した上で、適切な人材を選択する仕事も任される場合があります。また、日本側が求めるコスト要求に応えながらプロジェクトを遂行することも非常に重要になります。

ブリッジエンジニアになるには、大前提として語学力が必要ですので、まずはITエンジニアとして経験を積みながら英語などの語学力を磨き、TOEICなどの語学力をある程度証明できる資格試験を取得して、異動や転職のチャンスを待つことになります。また、裏技にはなりますが、ITエンジニアとしてある程度(できれば5年、最低でも3年以上)経験を積んだ後に、青年海外協力隊として2~3年間勤めることで、ブリッジエンジニアのちょっとした経験ができるかもしれません。ただし、日本帰国後の再就職は厳しくなる傾向ですので、この点も充分に考慮したうえで判断してください。

ここまででまずITエンジニア、そしてその中で4種類のITエンジニアのうち一つ目のプロジェクトマネジメントに関するITエンジニアを取り上げました。次の後編では残り3つのITエンジニアについて取り上げていきます。

プログラマとは? エンジニアとは? 様々な種類のエンジニア総ざらい 後編