既存の構成や環境についてすぐに、また的確に把握していただいたことと、サポートの手厚さが決め手でした。
北海学園大学 長谷川 大様(左) 松田 郷平様(右)
北海道の私立大学でNo.1の学生数、全国でも上位に入る規模の北海学園大学は、当然ながら毎年多くの志願者がいます。志願者に対してオープンキャンパスや進学相談会をはじめ大学の情報発信活動を行なっているのが北海学園大学入試課です。入試課では全国の志願者へ入試情報や学部の情報を届けるための入試サイト(https://rooms.hgu.jp/)を2020年に構築・公開しました。今回は入試サイトのセキュリティ向上、運営効率化のためAWSの機能追加開発を行なった事例をご紹介します。
- 北海学園大学
- 所在地:〒062-8605 札幌市豊平区旭町4丁目1番40号
- 設立:1885(明治18)年
- 代表者:学長 安酸敏眞(やすかた としまさ)
- 概要:北海学園大学は北海道における最大規模の私立総合大学です。学生数は北海道の私立大学で最も多く、文系・理系合わせて約8,500名が学んでいます。
- URL:https://www.hgu.jp/
- 取材日時 2021年5月10日
- 事例公開 2021年5月27日
- 記載の担当部署は、取材時の組織名です。
開発概要
- 入試サイトのセキュリティ向上を目的に、AWSの『Amazon Cognito(アマゾンコグニト)』を導入
スカイアーチネットワークスを選んだポイント
- 既存の環境でセキュリティを高める必要性があった
- 中長期的に技術に詳しくないメンバーにも分かりやすく技術サポートをしてほしかった
事業概要
北海学園大学入試課で行なっている業務について教えてください
松田氏:本学入試課の業務は主に2つに分けることができます。一つが入試制度の整備で、もう一つが受験生に対する情報発信です。オープンキャンパスの実施や進学相談会、大学の紹介冊子制作など活動は多岐に渡りますが、新型コロナウイルス感染拡大の状況もあり、情報発信活動の一環として昨年から受験生向けのWebサイトを開設しました。このWebサイトでは現在も定期的に情報更新を行なっています。
経緯、決め手
AWSを選んだ決め手について教えてください
長谷川氏:実は今回、AWSを導入したのは本学で初めての事例でした。長期的に運用コストを考えたときに、物理的なサーバーではなくクラウドを検討したのがきっかけでした。
クラウド導入を検討するときに、懸念していたことはありましたか?
長谷川氏:実は2020年4月に新型コロナウイルスの影響で、本学も漏れ無く授業が全面オンラインになりました。そこで問題になったのがサーバーへの負荷です。もともとアクセスが同時集中することを想定していなかったため、サーバーが度々ダウンしていました。
入試サイトは広報を目的としていることもあり、志願者の方が訪れたときにサーバーダウンしていたらイメージも良くありません。そこでAWSの導入を検討しました。
松田氏:具体的にWebサイトそのものの作り方や構成、さらにそのインフラ部分のサーバーに関することなどに詳しい人間は私含めて事務方にはいませんでした。そこで工学部の教員であり、2年間限定で入試委員としてご尽力いただいていた長谷川先生に技術的な知識の面でのサポートをお願いした次第です。
スカイアーチネットワークスに開発をお任せいただいた理由について教えてください
長谷川氏:既存の構成や環境についてすぐに、また的確に把握していただいたことと、サポートの手厚さが決め手でした。私も松田さんも入試課の業務と入試サイトの運営にずっと関われるわけではありません。そのため専門的な知識に乏しい職員に対しても丁寧に状況などを教えてくれるのは安心材料になりました。
松田氏:事務的なことにはなりますが、決裁までの様々な指定にも柔軟に対応していただき、スムーズに発注まで進められたのも助かりました。
開発前、開発中のプロセス、開発後の対応について
開発前後や開発中のプロセスはどうでしたか
長谷川氏:すでにある環境を引き継いでいただいたので、その点は難しかったと思います。しかしすぐに構成を理解し、的確な提案をしていただきました。特にCognitoを導入するときに、そういった方法があると想定していなかったので、私たちにはなかった発想でした。
スカイアーチに対して今後ご期待いただくこと、ご要望
今後スカイアーチネットワークスにご期待いただくこと、ご要望があれば教えてください
松田氏:引き続き、技術的な内容に関するサポート、通訳の役割をお願いしたいと思っています。例えばAWSからアラートメールが届いたといった場合、それをどう解釈すればよいのか、どう対応するのが適切か、不安な状態です。そういったところをサポートいただきたいと思います。
長谷川氏:松田さんの認識している部分と同じですね。中長期的に私も、松田さんも同じ入試課にいるとは限りません。技術的背景の有無に関わらず対応ができるようご支援いただきたいです。
今回開発を担当したエンジニアによる開発のポイント
開発を進める上で気をつけた点
今回注意した点は既存環境への適応です。どういった構成の中で行うのかお話をお伺いしながら丁寧にすり合わせをしました。できるだけコミュニケーションがスムーズに進むよう、図を用いるなど齟齬がないように進めていきました。
Amazon Cognitoを選定した理由について
AWSのAmazon Cognitoというウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションの認証、許可、ユーザー管理を行うためのサービスを使うことで、簡単にアプリケーションへの認証を構築することが可能です。 今回はCognitoを利用することで既存の構成を大きく変えることなく、通信経路にCognitoを挟むだけで認証機能を構築することができ、セキュリティを向上させることができました。加えて構築にかかる工数も最小限に抑えられました。アプリケーションへ接続するユーザーのIPは固定化できないというお客様の要望もあり、今回はこちらの構成を選定しました。