週刊少年マガジンやモーニングといった知名度のあるコンテンツは、「落ちました」では済まないところがありますので、運用管理専門の会社にお願いする意味がものすごく大きいと考えています。
株式会社講談社
販売局
宣伝部 クリエイティブグループ
北村 浩氏(写真左)
この度、講談社様が提供するコミックポータルサイト「講談社コミックプラス(http://kc.kodansha.co.jp/)」及び書籍ポータルサイト「講談社BOOK倶楽部(http://bookclub.kodansha.co.jp/)」にて、基盤運用にスカイアーチの『マネージドサービス』を導入いただきました。その経緯と効果について、同社販売局 宣伝部 クリエイティブグループ 北村 浩氏にお話をお伺いいたしました。
- 株式会社 講談社
- 所在地:〒112-8001 東京都文京区音羽 2-12-21
- 設立:1909年
- 資本金:3億円
- 事業概要:出版業
- URL:http://www.kodansha.co.jp/
導入ポイント
- 「落ちました」では済まないコンテンツに『マネージドサービス』を採用。
- AWSを採用したことで、ポータルサイトのコンテンツの拡充が容易に。
- それぞれの役割を担った専門会社と協力して1つの仕組みを作ることでブラックボックス化を防ぎ、効率の良いシステム運用を実現。
利用状況
ポータルサイト「講談社BOOK倶楽部」と「講談社コミックプラス」をAWSで運用
マネージドサービスの利用状況を教えてください。
「講談社BOOK倶楽部」という書籍のポータルサイトと、「講談社コミックプラス」というコミックのポータルサイトのリニューアルを期にインフラをAWSにし、その運用管理をスカイアーチさんにお願いしています。
「講談社BOOK倶楽部」と「講談社コミックプラス」は、共通のシステムの上に構築しています。WEB上でお客様が商品検索をできるように、オフィシャルな商品情報が保存されている基幹のDBと連携して情報をWEBで公開する仕組みと、各編集部のサイトを共通のCMSで公開する2つの仕組みが動いています。
リプレイス前の課題についてお聞かせいただけますか。
もともと別のSIerにインフラからシステムのサポートまでお願いしていました。リニューアルは、サービス開始から5年以上経過した頃だったと思います。当時は、特にスマホ対応が求められているタイミングであったので、新しい仕組みに変える必要があり、業者選定から見直しを行いました。
当時のシステムが抱えていた課題としては、2つあります。まずは、ガチガチのCMSになっていたので、管理画面から編集できることが一定範囲に限られていたこと。そして、基幹の商品情報システムと連携していない部分があり、サイトで商品情報を提供するためには誰かが情報を入れ直す必要があり、とても作業が追いつかない状況でした。
また、インフラに対する課題に関しては、スケールができなかったので、非常に反応が遅くなっていました。その他にも、編集部でサイトを更新する際に、入力が重なる時間帯になるとレスポンスが悪くなる事象が起きていました。
選定理由
10年以上のお付き合いから、安心してお任せできると判断
スカイアーチを採用した理由について教えてください。
まず、私がこの会社の仕事に関わり始めてから10年以上たっていますが、講談社とスカイアーチさんとは既にお付き合いがありました。
リニューアルの時の業者選定は、CMSのカスタマイズや商品情報システムとの連携を実現できる会社さんにお願いすることを念頭に置いて探しました。開発会社が決まり、システムを構築する上で、開発会社からクラウドで構築していくのが良いのではないかという提案をいただきました。こちらとしても、まだ漠然とではありましたが、クラウドを使いたいと考えていたので、そこはスムーズに決まりました。そして、開発会社とクラウドの運用管理はどうするかという話になりました。私たち講談社は、出版を主業務とする会社ですので、インフラに関する知識を持った者が社内には少なく、サーバーに運用管理が必要なの?といった認識でした。
例えば、通常のレンタルサーバーの業者とのやりとりで言うと、あくまで機械的なサーバーやOSの部分は面倒をみてくれますが、そこから先のDBであるとか、ミドルウェアに関して言うと、うちは管轄外ですよという話になりがちです。そうした時に、私たちだけでは安全なシステム運用は難しいと判断し、サーバー運用の専門会社を探すことになりました。その流れの中で、選定を行った結果、スカイアーチさんであれば、既に10年以上のお付き合いから、安心してお任せできるという判断をしました。
AWSを採用した理由を教えてください。
開発会社がAWSに一番慣れていたことが理由です。他にも色々なクラウドがあって、お安くしますよというお話もいただいて、開発会社に相談したこともあるのですが、何かあった時のことを考えると、AWSの事例とノウハウが多い分、アドバンテージがあるのだろうと考えています。
導入効果
ただ商品情報を掲載するのではなく、プロモーションサイトへと広がりができたのはAWSに移行したからこそできたこと
クラウドの導入効果はありましたか。
クラウドにしたのがよかったのか、システムを変えたのが良かったのかでいうと、色んな部分の複合的な効果だと思いますが、やはり、仕組みもインフラもリニューアルすることで、少なくとも社内で入力がかち合うと入力ができないですみたいなプリミティブな状況からは脱しました。
そして、コミックや書籍が予期せず何かで話題になって、突発的に負荷が非常に高まることが起きやすい業種ではあるので、そうした時のスケールの調整が自在に出来るようになったことも効果としてあげられます。
また、「講談社BOOK倶楽部」と「講談社コミックプラス」の役割にも変化がありました。両サービスにある「今日のおすすめ」というコーナーでは、本やコミックに関するレビューや著者さんのインタビューといった特集記事を公開しています。このページは更新されると、RSSでキュレーションメディア等のメディアに配信・転載されます。これによって、ただ商品情報を掲載するのではなく、今ではプロモーションサイトという広がりができています。このように拡張できたのはある意味AWSに移行したからこそできたことだと思っています。
「マネージドサービス」の導入効果について教えてください。
24時間365日の運用管理をお願いしているので、何か起こった時に、少なくとも何が起きているのかを把握できることが大きいと思っています。
専門の知識がない状態で沢山の方が利用するWEBサービスを展開することはあり得ないと考えています。週刊少年マガジンやモーニングといった知名度のあるコンテンツは、「落ちました」では済まないところがありますので、運用管理専門の会社にお願いする意味がものすごく大きいと考えています。
リニューアルによってビジネス面での効果はありましたか。
リニューアルの時に、試し読みをできるようにしました。
試し読みを導入したことで、お客様の滞在時間や回遊していく閲覧ページ数が増加するという面ではとても効果が出ています。
「講談社コミックプラス」と「講談社BOOK倶楽部」はコマースサイトではないので、売上的な成功と言ってしまうのは難しいのですが、ユーザーエクスペリエンスの部分で言うと非常に高まったと思っています。
要望と期待
スカイアーチネットワークスへの要望や期待があればお聞かせください。
全てSIerに丸投げした方が楽なのではないかという意見もありますが、経験上、全てをまるっと「良きに計らえ」でお願いするとブラックボックス化してしまい、後々立ち行かなくなることが想定されます。そういう意味では、それぞれの役割を担った会社さんに早い段階から入っていただいて一緒に1つの仕組みを作っていく方が効率良くシステムを運用できるという考えでいます。スカイアーチさんには、これからより突っ込んだところでご相談し、提案いただければなと思っています。