基礎から応用まで学んだ知識のアウトプット方法が重要。実務経験不足を課題に感じ、提案から設計・構築まで体験できるバーチャルOJTを選びました。
- 左から スカイアーチネットワークス 海鋒 晶代 / MDIS クラウド事業推進室 室長 桑原 信也 様 / MDIS クラウド事業推進室 岡本 祐真 様 / MDIS 金融第二事業部 システム第一部 第一課 上村 七菜 様 / MDIS 金融第一事業部 ネットワーク統括部 第一課 乃美 昌功 様 / スカイアーチネットワークス 高橋 玄太
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(以下、MDIS)は、金融業、製造業、流通・サービス業向けシステム事業を推進するリーディング・サービスインテグレーターとして、三菱電機グループの技術力やサービスを最大限に活用した各種ITサービス事業を展開しています。「三菱電機の戦略IT企業」として、2001年に分社化しました。
現在は情報システムの企画から開発、販売、運用・保守に至るまで、ワンストップでソリューションを提供しています。
MDISはスカイアーチネットワークスと2023年、クラウドに特化したソリューションの提供を目的に、クラウドセントリックを設立しています。
今回同社では、さらにクラウドシフトの動きを加速するため、バーチャルOJTの導入を行いました。
- 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
- 所在地:〒108-0023 東京都港区芝浦4-13-23 MS芝浦ビル
- 設立:2001年4月1日
- 代表者:取締役社長 中野 隆雅
- 事業内容:情報システムの企画設計・開発・製作ならびに販売、ソリューションの提供
- URL:https://www.mdis.co.jp/
- 事例公開 2023年11月2日
- 新型コロナウイルス感染対策を十分に行った上で撮影、インタビューを実施しました。
導入ポイント
- バーチャルOJTで、資格のためだけでない知識を習得できる
- 案件以外で実務経験が積める
- 実際の案件に限りなく近いプロジェクト進行を体験できる
事業概要
MDISの提供するサービスについて教えてください。
桑原様:MDISは「三菱電機の戦略IT企業」として、2001年に分社化し、現在に至ります。特に金融、製造、流通・サービス業の領域に強みを持っています。現在はそうした領域のお客様でもオンプレではなく、クラウドシフトが進んでいます。ビジネススピードの変化によって当社でもお客様のニーズに応えるため、クラウドシフトを今まさに加速させているところです。
スカイアーチネットワークスと共同で、クラウドセントリック株式会社を設立したのもその流れがあってこそです。クラウド関連事業やプロジェクトへの対応力強化に資する専門技術者集団として、クラウドインテグレーション事業の拡大の先陣を切る会社です。
クラウドセントリック独自で採用を行い、クラウドソリューションを提供するだけでなく、MDISにそのノウハウを展開することで、三菱電機の目指す「循環型 デジタル・エンジニアリング企業」への変革に貢献することも期待されています。
MDISがクラウドの研修を導入した理由を教えてください。
桑原様:前述の通り、お客様のニーズに応えるべく多くのクラウド関連プロフェッショナル人材を育成しています。具体的な施策の一つとして、AWSの資格取得支援を始めています。2023年9月現在、610名が資格取得済みです。今後も資格取得支援は継続していきますが、今回は資格取得後のステップとして、実務経験を積むためにスカイアーチネットワークスのAWSトレーニングのプログラムの一環である、バーチャルOJTを採用しました。プロジェクト以外でも実務経験を積むことで、先取りして経験とノウハウを蓄積していきたいのが狙いです。
導入経緯、導入前の課題
様々な研修サービスがあるなかで、バーチャルOJTを導入した経緯について教えてください。
桑原様:実務経験を積む場が不足していたことに、経営陣含めて課題感を持っていたのが理由です。資格を取得した610名はSEのみならず、営業も含んでいます。基礎的な位置付けの資格だけでなく、応用の位置付けである資格取得者もいますが、学んだ知識をどのようにアウトプットするのかが重要です。そのためにお客様への提案業務から設計・構築までをワンストップで体験できるバーチャルOJTを選びました。
バーチャルOJTについて
研修を受講しようと思ったきっかけや、研修を受ける前はどのような気持ちをお持ちでしたか。皆さんはどれくらいの前提知識をお持ちだったのでしょうか。
岡本様:私は入社2年目から現在の部署に異動になりました。異動後はクラウド関連業務に携わり、Professionalレベルの資格を取得しましたが、お客様に提案する機会があまりありませんでした。バーチャルOJTでは提案も経験できるということで、参加しました。また、プロジェクト全体の工程と工程ごとに必要になるドキュメントも把握できることも期待していた一つでした。
乃美様:私は以前からクラウドに関心があったため、独自に勉強を進め、資格取得もしていました。現在はAssociateレベルの資格まで取得しています。今回は実務経験を積みたいと思い参加しました。
桑原様:乃美さんは個人としても会社としても、クラウド領域を伸ばしていきたい思いを持っていた方だったので、参加してもらいました。
上村様:私が所属している課では、Professionalレベルの資格まで取得している人も多く、AWS関連の案件を、多く対応しています。以前私も同じプロジェクトに参加したことがあるのですが、その人に頼りっきりになってしまっていました。それがきっかけで、今度は一緒に推進していけるようになりたいと思い、今回の研修に参加しました。
実際に研修を受けてみてどうでしたか。
乃美様:普段業務で行っている案件の推進とはあまりギャップがなく、これまでの経験が役に立った印象があります。大きな違いを感じたのは、AWSの設計や構築の仕方です。実務経験がないと辛いなと感じました。
私は先ほどAWSの資格を取得しているとお伝えしましたが、サービスに対する知識が浅かったので、バーチャルOJT時には調べながらの対応になりました。資格取得だけの知識だけでは足りないなと実感しました。
岡本様:受講する前は、設計というよりもコンソールなどを触って、開発をどんどん進めていくんだろうなというイメージがありました。ですが、実際にやってみるとお客様役とのコミュニケーションや設計書などのドキュメント作成も行いました。プロジェクトの中で使ったデータベースサービスの知識がより深まったのと、コミュニケーションや説明スキルも向上しているように思います。他の案件と一緒で、設計のフェーズはすごく大事なんだなと、良い気づきになりました。
上村様:特に印象に残っているのは、お客様役のニーズに応える際、プランをいくつか立てられても、どちらがいいのか迷った場面があったことです。実際にやってみないと分からないつまずきポイントがあることが、バーチャルOJTで分かりました。
研修中、工夫した点はありますか?
岡本様:バーチャルOJTは実際の案件と同様、チームで進めていく必要があります。そのため、チーム内のコミュニケーションを意識して取り組みました。進捗管理や作業で発生した問題について、それを1人で抱え込まずに、チーム全体で共有し、フォローし合いながら進めました。
上村様:他の人が指摘されたことも自分のこととして捉え、学ぶようにしていました。
今後実際の業務で活かしていきたい点、今後の目標があれば教えてください。
上村様:私は今年課に配属された新人の育成担当になりました。バーチャルOJT内で、どう分かりやすく伝えるかは、かなり考えて取り組みましたので、研修で学んだコミュニケーションを生かしながら教えていきたいと思います。「教える」というアウトプットができるので、学んだことが定着するのではと期待しています。
岡本様:私はProfessionalレベルまでの資格を取得していますが、バーチャルOJTを通して、もっと知識をつけたいと思うようになりました。多くの知識を身につけて、実際の商談対応に生かしていきたいです。
乃美様:私もProfessionalを目指して勉強を続けるのと、AWS以外のクラウドにも興味があるので、幅を広げたいと思っています。今後クラウドプロジェクトに参加する際は、早期立ち上げに貢献できるようにと、考えています。
今後の人材育成計画、スカイアーチネットワークスへの期待について
実際に研修を受講したメンバーからの感想がありましたが、受講者に対する今後の期待はありますか?
桑原様:今後の期待は大きく2つあります。まずは周りの人にスキルトランスファーをしていってほしいということです。すでに上村さんが新人育成にあたっていますが、周囲の人を巻き込んで、クラウドシフトを推進する役目を担ってほしいと思います。また、今回の研修の学びを自分で振り返り、今後も知識を増やす、資格を取得するといった勉強を継続していってほしいと思います。