医療データ利活用で生活者の健康を支援 - メディカル・データ・ビジョンがAWSで実現する新サービス
- (写真左)リスク・コンプライアンス部 インフラ部 渡邉 幸広様
- (写真右)インフラ部 永田 俊幸様
メディカル・データ・ビジョン株式会社は、2003年の創業以来、膨大に蓄積された医療・健康情報を有効活用することが、今以上の医療の質向上、ひいては生活者にとってのメリット創出に繋がるという考えのもと、多様な関連サービスを開発・展開してきました。
現在は「生活者が、生涯を通じて自身の医療・健康情報を把握できる社会」「それらの情報をもとに、自身で医療・健康分野のサービスを選択できる社会」の実現を目指し、「データネットワークサービス」と「データ利活用サービス」を軸としたサービスの開発を通して、ビジョン実現に取り組んでいます。
- メディカル・データ・ビジョン株式会社
- 所在地:〒101-0053 東京都千代田区神田美土代町7番地 住友不動産神田ビル10階
- 設立:2003年8月
- 代表者:代表取締役社長 岩崎 博之
- URL:https://www.mdv.co.jp/
- 事例公開 2024年8月30日
導入ポイント
- スピーディなプロジェクトスタートができた
- AWS導入支援で多くの実績があり、信頼できた
- AWSに詳しい技術者が多く在籍していた
事業概要
AWSを活用するに至った事業背景について教えてください。
渡邉様:私たちは創業から20年以上、一貫して医療領域でのデータを活用した、多様なサービス開発に取り組んでいます。病院以外にも、健康保険組合や、2015年には個人と、医療や健康に関わる領域で、対象も広く、多様なサービスを開発・提供しています。
私たちの関わる医療や健康といった領域では、非常にセンシティブな情報を扱います。そのため、お客様のセキュリティポリシーの観点からも、オンプレへの根強いニーズがありました。
しかし、状況が変わったのはコロナ禍以降です。企業のみならず、自治体など、公共機関でもクラウド利用が進みました。また、コロナとは別に、医療の2024年問題である医師の働き方改革の課題にも直面しています。このような環境から、医療機関もIT活用のポリシーを見直し、DXがまさに今進んでいます。
こうした流れがあり、私たちもクラウドシフトを数年前から進めるに至っています。
今回AWSを導入した貴社のシステムについて教えてください。
サービスURL:https://karteco.jp/
渡邉様:今回オンプレからAWSへ移行したのは、診療情報や健診結果、検査画像を自由に閲覧できる「カルテコ」という個人向けのサービスです。私たちのミッションは、医療を選択できる社会の実現です。カルテコは私たちが注力している事業である「病院・経営支援サービス」、「健康診断に関わるサービス」、「個人向けメディカル・ヘルスケアサービス」の3つのうちの1つであり、「個人向けメディカル・ヘルスケアサービス」のミッションを実現する重要なサービスと言えます。
このサービスはもともとオンプレで開発・運用していたものの、前述した流れから、今後の開発計画のタイミングも鑑みて、昨年、AWSへの移行を計画しました。
導入前の課題
当社のサービス導入前は、どのような課題がありましたか。
渡邉様:カルテコの開発スケジュールが決まっていたので、AWSへ移行できるタイミングは限られており、必要なリソース、タイミングが合うパートナー探しが、難航していました。そんなときに、スカイアーチネットワークスに出会いました。
永田様:私はサービスインフラやネットワークの管理・運用を担当していますが、クラウド環境については、これまで開発部門がサービスごとに個別にAWSアカウントを作成し、管理・運用していました。今後はインフラ部にてサービス環境も含め全クラウドのインフラを管理する方針となりましたが、これまで社内での統一されたクラウド環境の設計手法やガイドラインがなかったため、サービスごとにバラバラな構成となっており、クラウド全体のインフラ構成の把握やセキュリティレベルの標準化、コストなどを管理するのに頭を悩ませていました。
そのようななか、カルテコの開発スケジュールを詰めていくと、移行タイミングは今しかないということになりました。また、上記の課題解決のため移行と同時にAWS環境におけるインフラ標準を定義・構築することとしました。リソース不足になることは分かっていたので、社内で移行準備を進めながら、並行してパートナー探しを進めていましたが、最適なパートナーがなかなか見つからずにいました。期限も迫り、焦りが出始めたころ、スカイアーチネットワークスに出会えて、無事スケジュール通りに移行プロジェクトを開始できました。
導入の効果
スカイアーチネットワークスへ開発・運用を依頼してみていかがでしたか。
永田様:スケジュール通りに、ゴールとしていたカルテコのAWSインフラ環境の構築を完了でき、安心しました。プロジェクト開始前は、リソース不足もさることながら、社内リソースのAWSに関する技術的な知識不足も懸念していましたが、スカイアーチネットワークスのサポートを受けながらその点もクリアできました。
今後期待されること
今後私たちに期待されること、またサービス自体の今後の目標について教えてください。
永田様:その後、今回構築したAWSインフラ環境のうえで、アプリケーションやデータの移行も完了でき、カルテコの新たなサービスの開発も進んでいます。開発部門からもAWSインフラのマネジメントを心配せずに今後も新たな開発を進めていけるので安心しているとの声をいただいています。今後は、今回構築していただいたAWSインフラ標準環境のブラッシュアップや他サービスへの展開についても検討していきたいと考えています。
渡邉様:今後カルテコではAIを活用した機能など、新規の機能開発を多数予定しています。私たちは20年以上にわたり蓄積してきた、医療に関する膨大なデータを保持しています。これらを活用する新たな機能追加により、個人の生活の質の向上(QOL)、ひいては日本の医療費の削減に繋がることを見据えています。