AWSに精通しているエンジニアのサポートがあり、実務でどのように対応しているかも含め回答をもらいながら進められる
- 後方右2番目から、IT統括本部 デジタルソリューション本部 田坂 知久 様:本部長 / IT統括本部 デジタルソリューション本部 ソリューション部 第二チーム 右田 隆史 様:課長 / IT統括本部 デジタルソリューション本部 DX開発部 製品開発チーム 櫻井 佑孝 様:研修参加者
- 前方右から、IT統括本部 デジタルソリューション本部 DX開発部 大串 美恵 様:部長 / IT統括本部 デジタルソリューション本部 SI部 プラットフォームチーム 後藤 芳樹 様:研修参加者 / IT統括本部 デジタルソリューション本部 ソリューション部 第二チーム 黒馬 裕貴 様:研修参加者 / IT統括本部 デジタルソリューション本部 SI部 第一チーム 五十嵐 円香 様:研修参加者
TOPPANエッジは、「情報」を核として「インフォメーションソリューション事業」「ハイブリッドBPO事業」「コミュニケーションメディア事業」「セキュアプロダクト事業」の4つの領域で事業活動を展開しています。
今回お話を伺ったデジタルソリューション本部では従来のオンプレミスシステムを使った業務から、クラウドの導入や、クラウドを活用した業務プロセスのシフトが進んでいました。とはいえ主要なクライアントは金融機関。高いセキュリティ、システム要件は高いクラウドの企画力、設計力も求められ、専門性の高い人材育成、確保が課題でした。
そこで同社ではこれまで社員を対象に、1000人規模のクラウド教育プロジェクトを実施。次のステップとして、実際に社内の業務やクライアントのプロジェクトへの活用と経験の蓄積、そのための実践の場が必要でした。そこでスカイアーチネットワークスのバーチャルOJTが採用されました。本記事では導入前の課題や実際に受講した感想、学びを伺っていきます。
- TOPPANエッジ株式会社
- 所在地:〒105-8311 東京都港区東新橋1-7-3
- 設立:1955年5月
- 代表者:代表取締役社長 添田 秀樹
- 事業内容:「情報」を核とした「インフォメーションソリューション事業」「ハイブリッドBPO事業」「コミュニケーションメディア事業」「セキュアプロダクト事業」の4つの領域で事業活動を展開している。
- URL:https://www.edge.toppan.com/
- 事例公開 2023年10月3日
- 新型コロナウイルス感染対策を十分に行った上で撮影、インタビューを実施しました。
導入ポイント
- バーチャルOJTで実務そのままのプロジェクトを体験できる
- 開発者として経験を積みたい人、マネジメントを学びたい人が一つのチームで双方にとって学びのある研修内容
- AWSに精通しているエンジニアのサポートがあり、実務でどのように対応しているかも含め回答をもらいながら進められる
事業概要
TOPPANエッジの提供するサービスについて教えてください。
田坂:TOPPANエッジはビジネスフォームやデータ・プリント・サービスなどの分野で培ってきた技術やノウハウをベースに、お客様の情報伝達を最適化する情報管理ソリューションを提供しています。印刷物と電子ドキュメントの融合や、RFID・ICなどの情報メディア、プリンテッド・エレクトロニクス技術を応用した製品開発など、「情報」を核としたさまざまな事業を展開しています。
クラウドの研修を採用いただきましたが、御社でクラウドが必要になった背景について教えてください。
田坂:前述したソリューションは数年前までオンプレ中心に、開発・提供をしていました。しかし世の中のトレンドの変化、スピード感の加速を感じ、それを実現するクラウドへのシフトを検討していました。
しかし私たちの顧客の中心は金融業界の皆さんです。セキュリティなどの観点から、クラウド自体が許容されない時期もありました。それでも変化の波がやってきたのは、コロナ禍のタイミングでした。デジタル化が進んだ印象がありますね。今では金融業界のお客様にとって、スピードの優先順位が相対的に上がったように思います。実際にクラウドを選択することも増えています。
そのような背景から、当社では数年前から資格取得の支援を行ってきました。2024年度に向けて100名の資格取得者輩出の目標は、延べ人数では現時点ですでに達成されています。そうなると次の課題は、実践の場に向けた準備です。お客様の要求レベルが高い案件でも、お客様と折衝ができるようにならなければいけません。そのためできるだけ実践に近い、経験値が積める研修や対策ができないか、選択肢を模索していました。
導入経緯、導入前の課題
今回バーチャルOJTを導入された経緯について教えてください。
大串:私は資格取得や研修の推進を担当しており、田坂が申し上げた資格取得も積極的にサポートしてきました。ただ、知識の習得も大事ですが、実際の業務を考えるとその知識の使いこなしが必要になります。そのための研修を探してはいましたが、なかなか実践的な研修は探すことができませんでした。そんな中、スカイアーチネットワークスのAWSトレーニングのプログラムの一環である、バーチャルOJTが目にとまりました。
右田:私たちのチームはお客様の要件をヒアリングし、SaaSサービスなども含め、要件を満たすシステム全体を企画・設計・提案するチームです。特にお客様のシステム部へのヒアリング、提案をする際、深い業務理解やシステム理解があると、信頼を得て、結果的に受注確度が上がります。お客様は大手の金融機関の方が多く、プロのSEとして専門知識が求められます。その際に経験談を含めた話ができると非常に話が進みやすくなります。そうした経験をプロジェクト以外で積めるのはチームとしてもとても助かります。そのため、中には1日フルでの研修日もありましたが、チームで普段の業務量を調整してスカイアーチネットワークスの研修に参加してもらいました。
バーチャルOJTについて
研修を受講しようと思ったきっかけや、研修を受ける前はどのような気持ちをお持ちでしたか。皆さんはどれくらいの前提知識をお持ちだったのでしょうか。
五十嵐:私はオンプレの開発部門に所属しており、あまりクラウドを使っている部署ではありませんでした。しかし昨年からクラウドの案件が徐々に始まり、関心を持っていました。とはいえ私個人は業務では全くクラウドには触れていなかったので最初は不安でした。
黒馬:私はSEとして、ローコードで開発を行っております。しかし、構築後のアプリケーションの運用・監視などの経験はありませんでした。クラウドについては何となく知識を持っている程度でした。
後藤さん(左から2番目):私は前職でAWSではない、別のクラウドを触っていて、クラウド自体には慣れていました。4月の中途入社前からこの研修を受講することは決まっていて、AWSは初めてでした。AWSの知識を身につけるとともに、マネジメントもやってみたいと考えていました。
実際に研修を受けてみてどうでしたか。
櫻井:私はすでにAWSの開発経験があったので、マネジメント寄りのことを学べたのは良かったです。課題も抽出できました。それに加えて、これまで扱ったことがないツールも使ったので、勉強になりました。そうした経験をふまえ、今回のバーチャルOJTは私にとって思う存分試行錯誤ができる良い機会になりました。
五十嵐:私はこれまで上流工程にあまり関わったことがありませんでした。しかし今回の研修で、クラウドはチームでヒアリングから要件定義、設計、構築まで初めて経験しました。クラウドならではのやり方に、次の工程のことを先回りして考える意識が身についていると思います。
黒馬:システムの全体像を捉えて最適に設計をすることがとても難しかったです。また納期設定も2ヶ月と、とてもタイトな研修でした。しかしフォローが手厚くなんとか乗り切れました。全員が技術を一定水準分かっている上で、分担し協力することで、一気にシステムができあがっていくのを体験し、感動を覚えました。チームの一体感を抱きましたし、研修での感覚が今の仕事に活きているように思います。
後藤:私はクラウドを触ったことはありましたが、お客様のヒアリングをしたことがなく、その部分がとても難しかったです。失敗してもフォローの体制があり、整った環境の中で普段経験できない業務を体験でき、良い勉強になりました。
今後実際の業務で活かしていきたい点を教えてください。
黒馬:最近の新しい案件は基盤がAWSの場合が多いのですぐに活用できそうです。また、後からプロジェクトに参画した場合でも、キャッチアップが楽になりそうです。
加えてクラウドは変化のスピードが速いので、技術習得も継続して求められます。今回のように調べながらプロジェクトの業務に落とし込むやり方は良い経験になりました。
後藤:業務上、すぐに顧客ヒアリング、開発要件などに携わる機会は少ないように思います。ですが、クラウドで学んだものの見方やプロジェクトの進め方は社内の業務改善やシステム改善に活かせるように思います。
五十嵐:受講後、今回の研修の参加をきっかけとして、クラウドの案件に携わることが増えています。バーチャルOJTの決められた期間内で、平行してタスクを進めてシステムを作り上げていくことを学び、プロジェクトが短納期の案件にも活かしていけると思います。
今後の人材育成計画、スカイアーチネットワークスへの期待について
実際に研修を受講したメンバーからは概ねポジティブな感想がありましたが、今後の研修活用についてはいかがでしょうか。
右田:当社はコアビジネスが印刷とデジタルソリューションで、他社ではなかなかないユニークな組み合わせです。このユニークネスをさらに尖らせるため、クラウドを活用し、印刷+デジタルソリューションの可能性をさらに伸ばしていきたいと思います。
大串:現在、当社だけでなく、トッパングループ全社的にクラウド教育を推進しています。冒頭に申し上げた資格取得がその一つです。しかし従来のクラウド教育だけで終わってしまうと、今回の研修のテーマである「実務で使える」はかないません。今後は実務で使うために、どういった内容の教育機会を創出すべきか引き続き検討が必要だと考えています。
ぜひ研修だけでなく、クラウド実装に向けて、全体的な進め方を一緒に進めていきたいと思います。
田坂:今回の研修を経て、クラウドを使いこなすに至るまでの課題が抽出できたことは大きな成果の一つに挙げられます。また、積極的に研修を受講し、受講する前よりも少しでも自信を持ってもらえたのも喜ばしい成果です。
受講したメンバーを中心に、今回抽出できた課題や、得た学びを持って当社の中でクラウドの裾野を広げていってほしいと思います。